コミュニケーションのコストに関する感覚を持つ

コミュニケーションのコストに関する感覚を持つ

この記事では、コミュニケーションのコストに関してまとめます。
Clock Icon2024.10.11

こんにちは。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。

依頼、意思決定、報告など、仕事におけるコミュニケーションには様々なものがあります。そして、これらのコミュニケーションには時間がかかり、その時間はコストとなります。そのため、コミュニケーションの目的を果たすのであれば、時間は短い方が効率的です。

この記事では、コミュニケーションのコストに関してまとめます。

コミュニケーションとコストについて

依頼、意思決定、報告など、仕事におけるコミュニケーションには、関わる人数と時間に比例してコストがかかります。例えば、1時間の会議に5人が参加した場合、その時間は 1時間 \times 5人 \times 平均時給 の労働コストが発生します。これに加えて、準備時間や後処理も含めると、さらにコストが増加します。

そのため、例えば問題解決のためのミーティングでは、同じ結果が得られるのであれば、少人数かつ短時間で意思決定を行う方がコストを抑えられます。

コミュニケーションのコストを大きくする要因

コミュニケーションのコストを大きくする要因には以下のようなものがあります。

  1. 目的やゴールの質
  2. コミュニケーションパスの多さ
  3. ファシリテーション力の高さ
  4. 参加者のコミュニケーション力

1. 目的やゴールの質

会議や意思決定の目的が明確でないと、議論が発散し、無駄な時間がかかります。最初に目的を明確にし、ゴールを設定することで、時間と労力を節約できます。

2. コミュニケーションパスの多さ

関与する人が多いほど、相互にやりとりするためのパスが増え、情報の共有や意思決定にかかる時間が増加します。多人数でのコミュニケーションは、誤解や情報の漏れも起こりやすくなり、結果として再確認や修正のコストが発生します。特に、意見が衝突した場合に合意形成に至らないと結論がでるまでの時間が際限なく長引きます。

3. ファシリテーション力の高さ

ファシリテーターの力が不足していると、議論が脱線したり、結論に達するのに時間がかかったりします。逆に、優れたファシリテーションがあれば、議論が効率的に進み、コミュニケーションコストを抑えられます。

4. 参加者のコミュニケーション力

参加者の発言や情報共有が不十分だと、追加の説明や誤解を解くために再度コミュニケーションが必要になります。逆に、参加者がクリアで効果的にコミュニケーションできると、短時間で正確な情報共有ができ、コストが抑えられます。

コミュニケーションというと広い概念ですが、ここで求められるコミュニケーションの要素は以下のようなものです。

  • 4-1. リスニングスキル
  • 4-2. 質問力
  • 4-3. 要約力
  • 4-4. 例示力
  • 4-5. 合意形成力
  • 4-6. 感情のコントロールと対応力

このようなコミュニケーションスキルは先天的で固定的なものではなく、訓練によって強化可能なスキルであるため、現時点で不足があっても意識的に強化していくことで全体のコミュニケーションコストを下げていくことができます。

4-1. リスニングスキル

参加者が他者の意見を正確に理解すれば、無駄な議論や誤解を防ぎ、素早い意思決定に繋がります。話すだけではなく、他者の意見を正確に聞き取ることで、議論が無駄に拡散するのを防ぎます。

4-2. 質問力

議論において、曖昧な点や不明点をそのままにしておくと、議論が長引いたり、結論が誤ったものになりがちです。適切な質問で曖昧な点を明確にしたり、不明点を確認することにより、議論を効率的に進めることができます。

質問におけるポイントは以下の記事にまとめてあります。

4-3. 要約力

伝えたい情報をできる限り短くして伝えることができると、より短い時間で同じ内容を伝えることができます。また、要約ができる人は話の論点を捉えていることが多く、常に論点を捉えた上で話すことができます。

例えば、すべてのお題を網羅するのではなく、不要な部分を切り落とす『思考の枝刈り』ができるのは、論点を捉えているからです。
不要な部分を切り落とす『思考の枝刈り』ができるのも、論点をしっかりと捉えた要約力があるからこそです。

思考の枝刈りに関してより詳しくは、以下を確認ください。

4-4. 例示力

議論の中で、議論の内容やその一部に含まれる概念を理解できない人が出てくる場合があります。こういった場合に、素早く理解を促すことができると、円滑に議論を進めることができます。そして、他者に理解を促すにあたって、相手にとってわかりやすい例を出すことができると理想的です。

例示に関してより詳しくは、以下を確認ください。

4-5. 合意形成力

議論の中で、各参加者の意見をまとめ、最終的な結論を導く能力は、議論が長引くのを防ぎます。短い時間で議論を着地させるためには、異なる意見を調整し、合意に導くスキルが重要です。

4-6. 感情のコントロールと対応力

感情的な反応や対立が発生する場面で冷静に対処し、適切なトーンで話し合いを進めることは、余計な摩擦や時間の浪費を防ぎます。冷静で建設的な議論が、最短での解決を導きます。また、自分以外が感情的になっている場合に、場を改めたり、場を和ませたりする対応力も重要です。

補足

あくまで質を落とさない前提

コストがかかるからと言って、本来必要な人数よりも少ない人数で話し合ったり、結論を導くのに必要な前提の整理を省いたりすると、議論にかかる時間は少なくなるものの、議論の質が下がって結果としてコストを抑えてもリターンが下回ることになります。

ROIを踏まえる

意識するコストはリターンとの関係によります。例えば、非常に小さな効果の業務改善の議論はより短い時間で着地させたいですし、逆に成功すれば大きなリターンがあり、失敗したら大きな損失があり、即決が難しいような複雑で重要な意思決定に関してはある程度時間をかけて、可能な範囲で成功への確度を高めたいところです。

関係性の向上は別途大切にする

関係性の向上に関するコミュニケーションは、無駄ではないため削り過ぎないように注意が必要です。

逆に、依頼や意思決定など、目的が明確なコミュニケーションを短時間で的確に終わらせ、余った時間を関係性向上に充てられると理想的です。

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